第3章 働き方改革実行計画
時間外労働の上限規制
我が国は欧州諸国と比較して労働時間が長く、この20年間フルタイム労働者の労働時間はほぼ横ばいである。仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためには、長時間労働を是正しなければならない。働く人の健康の確保を図ることを大前提に、それに加え、マンアワー当たりの生産性を上げつつ、ワーク・ライフ・バランスを改善し、女性や高齢者が働きやすい社会に変えていく必要がある。
長時間労働の是正については、いわゆる36協定では長時間労働を是正できない現状があるため、罰則付きの時間外労働の限度を具体的に定める法改正が不可欠である。他方、労働基準法は、最低限守らなければならないルールを決めるものであり、企業に対し、それ以上の長時間労働を抑制する努力が求められる。長時間労働は、構造的な問題であり、企業文化や取引慣行を見直すことも必要である。
実行計画は、このような視点のもと、「法改正による時間外労働の上限規制の導入」の今後の対応の方向性を、次のとおり説明している。
いわゆる36協定でも超えることができない罰則付きの時間外労働の上限規制を導入するとともに、さらに長時間労働を是正するため、企業文化や取引慣行の見直しを推進する。これにより、労働参加と労働生産性の向上を図るとともに、働く人の健康を確保しつつワーク・ライフ・バランスを改善し、長時間労働を自慢する社会を変えていく。
そして、そのために次の具体的な施策を掲げている。
① 時間外労働の上限規制
② 長時間労働の是正に向けた業種ごとの取組等
③ 意欲と能力ある労働者の自己実現の支援
④ 公務員等の長時間労働対策
⑤ 地域の実情に即した取組
⑥ プレミアムフライデー
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